今回はザグレブにある失恋博物館がとても良かったのでご紹介します。
Museum of Broken Relationship /失恋博物館
この博物館の何が面白いかというと展示されている品々は一見統一性もなければ、なんて事のないトランプやベース、CDやボロボロの本はたまた斧やワインのコルク栓。
ですが、どの品も解説を読めばよく見たいと思わずにはいられないのです。
というのもこの博物館には色々な人たちの失恋にまつわる品が寄贈され、それをこのミュージアムに寄贈された際に添えられていた解説の文章と一緒に展示しているのです。
なので物によってはかなり小説のような文章だったり誌的な文章のものがありました。
ザグレブにこの博物館があるのネットで調べていたときに見ていたのでは知ってはいたのですがそこまで惹かれないな…と思っていたのですが施設の評価も高く、日本語の解説が有るとも描いていたのでせっかくザグレブに来たんだから見ておくかという程度の気持ちで行きました。
展示されている1つ1つの品が恋愛をしていた当事者からしたらとても意味があり文章を読んでいると引き込まれます。
展示されている品々に共通するのは結果的にはその恋愛は破局に終わったという事。
解説を読むと短編小説を読んでいるような気分になり展示されている全てのアイテムと文章をみたら2時間くらいかかりました。
展示されている品の中でも特に印象に残った何点かをご紹介します。
ニューヨーカー
この品を寄贈したのは男性側で相手は町中の誰もが知っているような人で色々な活動をしていて一緒に色々な国に行ったそうです。その女性はバリバリのキャリアウーマンの様でニューヨーカーの編集にも関わっていたようです。書き手側も結構なお金持ちのようなイメージを受けました。
文章の終わりが『今でもニューヨーカーを読めば世界の何処かでこの本を読んでいる彼女を思いだす』という終わり方でいいなと思いました。
ポストカード
1967年のお話。
当時のアルメニアの伝統では恋をした二人間では決まらず両親の許可が必須だったようですね。そして衝撃の終わり方。鳥肌が立ちました…
ステラトシューズ
子供の頃の結婚の約束がそのまま果たされることはないのはよくあることですが女性がSM嬢に転職して相手の男性が客として来て再開、相手には妻子を持っていて子供の頃親に虐待されていたことからMに目覚めてしまったらしい
こんな再会なら会わなければ良かったという文はたしかに…と思ってしまいました。
相手の男性が帰るときに靴を片方譲ってもらえないだろうか?と尋ねられたので譲ったらしくその片割れが展示されています。ここまでくるとよく出来すぎていて創作かなと思ってしまいますねw
シャンパンのコルク
短い文章ながら笑っていまいました。
何事も考え方次第なんだなと思いました。
まとめ
僕自身は独り身をこじらせ未だに恋焦がれるような恋愛をしたことがないという寂しい人間なのですが、大恋愛の末に色々な事情で破局した人達の思いが詰まった品々をみて恋愛の素晴らしさと儚さを感じました。
お土産コーナーにはグッズが充実していたので人気の様です。
とても充実した時間を過ごせたのでザグレブに訪れた際には是非訪れてほしい博物館でした。